みなさんは万年筆を使ったことがありますか?もし使ったことがない人がいたらぜひ一度試してください。ボールペンや鉛筆とはまた違った書き心地があります。またその個性豊かなデザインは文具というよりアート作品に近いものもあります。私が万年筆を初めて使ったのはパリ勤務しているときのイタリア人からのプレゼントでした。万年筆は大人のビジネスマンへのプレゼントとしても手ごろでオシャレなのです。もらったのはフランス製の万年筆Waterman チャールストンでした。握りが流線形のフォルムで持ちやすく、細かい装飾も入っていて、歴史を感じさせてくれました。それから署名サインをするときなどは万年筆を使うのが楽しみになりましたね。ちなみに万年筆Watermanは日本読みなら「ウォーターマン」ですが、フランス式には「ヴァッテルマン」と読みます。 そんなWaterman万年筆を皮切りに、私は自分でもステーショナリーショップにていくつもの万年筆を買って使うようになりました。今日は、是非みなさんにも万年筆の良さをお伝えするために、私のお勧め万年筆ベスト10を紹介します。
目 次
海外の万年筆ベスト10
ペリカンのスーベレーンM1000です。ドイツの老舗万年筆メーカーのペリカン社ですが、どうやら同社製品は日本でも文化人を中心に有名なようです。業界を代表するこのお勧め製品モデルはかなりの高級仕様。軽く握るだけで柔らかいタッチの文字を自在に描くことができます。万年筆を使い始めの時はこのようなハイクラスモデルで優雅に楽しみたいものですね。ドイツ製品らしく重心バランスなども細かく設計されており、匠の精巧さを感じさせてくれます。欠点も見当たらず、バランス良い優秀作と言えます。ただポピュラーすぎるのであえて10位にランクインしました。
海外の万年筆ベスト9
カヴェコ・ブラススポーツです。ドイツのカヴェコ社の提供する様々なシリーズの中でもこのブラススポーツは異色。真鍮製の重厚なボディが指にしっかりした重さと安定感を与えてくれます。なかなか見ないスタイルですよね。中世の騎士鎧を思わせる厚みです。ステーショナリーショップで持ち比べたとき、この真鍮の万年筆の質感と重量感に、強い個性を感じたのを覚えています。このような重たくて大きな万年筆は、大事な仕事や交渉事の時も気持ちが引き締められます。真鍮の肌触りと鈍い輝きをオフィスで感じることは、他の万年筆にはない愉しみ方と言えます。
海外の万年筆ベスト8
パーカーのデュオフォールド パール&ブラックGTです。 パーカー社は紳士の国イギリスの老舗ブランドです。伝統を重んじる職人技がボディに込められています。使いやすさと安定感を重視した機能性もさることながら、デザインセンスも独特。このモデルはパールホワイトと黒のアクリル素材が光沢を放ち、他に類を見ない色艶を反射させます。白色光の照明下でも綺麗ですが、フランス式の間接照明のデスクではより映えて見えます。万年筆のペン先にはクルミ片で磨かれているというこだわりの一品です。こういった仕上げ方もクリエイターの工夫と信念が感じられて、文化性を感じますね。
海外の万年筆ベスト7
ラミーのネオンコーラル。テキストだけでは伝えにくいのですが、この万年筆、すごく滑らかで妖艶なデザインです。ボディ色は華やかなサンゴ色をしており鉱石のようでもあります。このシリーズは年ごとに綺麗な限定色のモデルを出しているようで、コレクターの間でもファンが多いとか。製造元であるドイツのラミー社ですがこのネオンコーラル以外もスマートでファッション性の高いフォルムが多く、有名デザイナーとのコラボ企画もやっています。ラミー社万年筆は最先端のデッサンを意識しており、感度のよい業界人や若い世代のユーザーにも根強い人気を誇っているようです。
海外の万年筆ベスト6
ヤード・オ・レッドのバイスロイ グランド ビクトリアンです。 ヤード・オ・レッド社はイギリスのペンシルメーカーで「1ヤードの芯」という意味の社名です。なかでもお勧めのモデルは副王(バイスロイ)の名を冠したこの一品。白銀のフルート楽器のようなきらめくシルバーボディに手彫りの彫刻が刻まれています。中世ヨーロッパの銀細工を思わせる芸術的文具と言えます。使い心地や書き心地も優雅で繊細。毎度のことながら万年筆というのは、材質、フォルム、装飾、製法によって、単なる文房具を超えて、強烈な個性を発揮できる調度品だと感心せずにはいられません。
海外の万年筆ベスト5
スティピュラ社のノベセントです。スティピュラ社はイタリア屈指の万年筆メーカー。なかでもこのノベセントはかなり古くから変わらぬモデルで、同品質の使い心地を提供している完成された万年筆と言えます。伝統的なインク充填式のコンバーターと便利なカートリッジ式の両方が使える便利設計。価格はそれなりですが、職人のハンドメイドクオリティは使い込むほどに味が出ます。ペン先には14ゴールドを使用し、柔らかな筆体と美しい煌めきが目を喜ばせます。デザインは時代に左右されないシンプルモダンであり、バージョンチェンジする必要がなかった実力派モデルと言えます。
海外の万年筆ベスト4
カランダッシュのヘクサゴナルキューブです。カランダッシュはスイスの万年筆メーカーでロジウム、プラチナなど希少金属をあしらった六角形フォルムと彫刻の繊細さが有名です。また、サファイヤ、ダイヤモンド、ルビーを使ったオートクチュール高級万年筆も有名。同社ラインナップの中でもヘクサゴナルキューブは六角形スタイルの定番であり、指の感覚にぴったりフィットする持ちやすさで、ペン先への微妙な力を伝えやすくしています。各パーツも職人によって丁寧に研磨されており、長く書き物をしても一向に疲れない高機能の優れものです。
海外の万年筆ベスト3
レシーフのクリスタルブルーです。 フランスのレシーフ社の万年筆。内部が透けて見えるクリア構造の軸にスポイトでインクを注入します。軸内部のインクは使う度に揺蕩い、美しい光のコントラストを楽しむことができます。この自由なクリエイティブセンスはちょっと他のメーカーにはないですね。使い始めはちょっと変わった樹脂の匂いがするのもポイントで、差別化された個性を発揮しています。ペン軸のマーブル模様は一本ずつオリジナルで見ていて飽きさせない紋様。筆記用具の枠を超えて、様々な面でユーザーの好奇心を刺激してくれます。
海外の万年筆ベスト2
ビスコンティのカーサ・バトリョです。イタリアの誇るこのモデルはガウディの傑作「バルセロナのカーサ・バトリョ」をそのままモチーフにしています。艶やかなカラーを散りばめたステンドグラスやモザイクシートをメタリッククリームが包み込み、手の中の芸術品といえます。本当に、よくこのようなデザインの万年筆をつくったと感嘆せずにはいられません。ただし、美しいだけではなく、機能性にも優れています。23Kパラジウムペン先は滑らかな筆記体を生み出し、白紙にスタイリッシュなフォントを紡ぐ優れものです。この万年筆は文字を書く行為を特別な時間にしてくれることでしょう。
海外の万年筆ベスト1
コンウェイ・スチュアートのワーズワースクラレットです。 イギリス屈指の万年筆メーカーである同社のシリーズはどれも個性的。文房具というよりはステンドグラスや瑪瑙の葉巻を思わせます。その中でもこのモデルは幻想的なアンティーク風万年筆。そのボディはワインカラーのマーブルパターンで作られ、色彩豊かな芸術品です。表面の色光の乱反射をみていると心が癒されますね。外見だけではなく、構造にも職人のこだわりがあり、使い心地もハイスペック。ペン先がスムーズに走り、いつもより仕事がはかどります。ハイクオリティな文具を使って、非日常の気分を楽しみましょう。